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大月〜奥多摩〜日の出町

■走行距離:261`
■走行ルート:首都高〜中央自動車道(〜大月)〜R20〜R139〜R411(青梅街道)〜R251〜R31(秋川街道)〜R184
■有料道路:首都高⇔:\1,400、中央自動車道(高井戸〜大月、八王子〜高井戸)⇔:\2,100
■ひので三ッ沢つるつる温泉入館料(3時間まで):\800

09/08/05(木)

 平日、休みをとってバイクでちょっとだけ遠くへ行くことにした。静かな所へ、大きく、美しいものを見に。何も考えず温泉にでも浸かって、ぼんやりしたかった。最近ちょっと、疲れた。
 朝8時過ぎ、「今日、会社休むから」と母に言う。「そう。で、どうするの?」「バイクだよ、バイク!」「暑いじゃない」「山だよ、山!」。そう、山は涼しいのだ。山よ……待ってろよ。

 準備を済ませ、装備を整える。そして、本当に久々に、エンジンをかける。案の定、キュルルルルと、かかり辛かった。前に乗ったのは、いつだっけ? もう覚えてない。だからこそ、風をきって走り出した瞬間、嬉しくてたまらなかった。
 自宅から一番手っ取り早く乗れる高速は、中央自動車道。とりあえず、東へ向かうことにした。計画を立てる時間が、もったいない。談合坂SAで、先のことを考えよう。初台から首都高に乗ると、「今日はいい天気だねえ」と、料金所のおじさんが笑顔で言う。「本当に!」。そう、今日の空は青い。

 平日の高速道路は空いている。家を出てから1時間もしないうちに、談合坂SAに着いた。早速ツーリングマップルで、行き先を考える。勝沼より先へ行くか、南下して富士より先へ行くか。快適なワインディングロードと、山と、温泉があれば、どこでも良し。うーん……。と、隣に止まっていたバイクのライダーがやって来た。
 「今日はどちらへ行かれるんですか?」と聞くと、「韮崎まで。もう、直ぐ着いちゃうよ」と、優しい顔のおじさんライダーは答えてくれた。自らツーリングマップルを出して、「ここのね、サントリー白州蒸留所って所。あと、ウィスキー博物館と」。指で示してくれた箇所を見ると、
“ウィスキー試飲可。もちろん運転は不可”と書いてある。「へー、試飲可能なんですね」と言うと、「いやいや、お土産で買うよ。毎年行ってるんだ」と、ツーリングで行ったオススメの場所を教えてくれた。それがどれも、蒸留所なので、笑ってしまった。で、そのおじさんが教えてくれたのが、“ひので三ッ沢つるつる温泉”。「女の人なんて、『こんなにお肌ツルツルになっちゃって、どうしましょーっ』って言うぐらい、ツルツルになるよ」と。……ストレスでお肌ボロボロ、女27歳。ツルツル温泉よ、どうか私を癒して。目的地決定。

 目指すつるつる温泉は、西にあった。ということで、先の大月で高速をおり、北上して奥多摩湖沿いをぐるっと西へ移動、つるつるへ立ち寄り、南下して八王子から高速で帰る計画を立てた。温泉までは、たっぷり山道を走れるルート。無計画なわりに、完璧だ……。素晴らしいっ!!
 大月をおりて、国道139号線に出る。周りはのどかな田舎町。どこを見ても、全く違う時間が流れているような気がした。日常から離れるというのは、そういうことだと思う。たまにはそんな感覚を味わうことも、大切。
 さーそろそろ山に入るぞとワクワクしていると、稲穂が風に揺れているのが目に入った。もう、実りの秋なんだ。道端にバイクをとめて、エンジンをきる。ヘルメットを脱ぐと、まわりは想像以上に静かだった。耳障りな音は、何も聞こえない。トンボが稲穂の間を飛んでいた。夏は終わって、秋がくるんだな。

 こんなときも、携帯メールで人にメールをうってしまう自分が嫌だった。が、とにかく携帯をいじっていると、道を走る小型トラックのドライバーが、「姉さん、これ、なんてバイク?」と、全開の窓から顔を出し、聞いてきた。同年代の、お兄ちゃんだ。「ホンダのCB400 SUPER FOURですよ」と言うと、「へー。何CC?」「400です」「400かあ。いいなあ。俺、実は昨日VFRってバイクを買ったばかりなんだよね。知ってる?」「はい、ホンダですよね」「うん。で、今日はどこ行くの?」「奥多摩の方ですよ」「そう。この先山道はカーブが多いから、気をつけるんだよ」「はい」「俺この先にある金物屋だから、帰りもしもまたここ通るんだったら、寄ってってー」「はーい、ありがとうございます」。何ともフレンドリーなお兄さんだった。
 で、この先はカーブの多い山道と。

 バイクを(角度をつけて)倒しながら、山道を走り抜けるのは、相当気持ちが良い。台風の影響で、道の脇には無数の小枝や濡れ落ち葉が溜まっていた。ここで思いっきり攻めると、スリップするんだろうなと思い、道の状態と対向車を気にしながら、慎重に走り続けた。そして辿り着いたのが、深城ダム
 水面がキラキラと反射し、あまりの美しさにまたバイクを止めて、一休み。こんなに近くに、こんなにきれいな所があるなんて。

 この日は、本当に空が青かった。その青い空に、くっきり、ぷっかり浮かぶ、白い雲。その下で、ぼんやりできるのが最高に嬉しかった。バイクがあって、良かったなあと、忘れかけていたバイクの良さを心底感じた。
 バイクは、一人でぶらり、どこへでも、すっ飛んで行ける。車より不便な点も多いけれど。ちょっとした空気の温度差を感じることができる。風に混じるかすかな匂いにだって、すぐに気が付ける。マシンと一体になって走る爽快感は、最高の気分転換になる。うー最高。と、バイクの横に一台の車が止まり、年配の御夫婦が降りてきた。「早かったわね。一人?」と、奥さんの方が話しかけてきた。「はい」「そう。バイク、好きなの?」「はい、大好きです」。本当に、大好き。しばらく御夫婦とおしゃべりをして、さらに山道を上がった。

 しばし走ると、松姫峠に出た。随分山道を駆け上がってきたので、峠からの眺めは、最高に美しかった! 写真ではどうにも、伝えきれないけど。
 がんがん走って、たまに止まって、景色に見とれて、また走る。その繰り返しが、溜まったストレスをちょっとずつ薄めていく。そして、最後に究極の癒し、つるつる温泉に辿り着いた。

 その日のつるつる温泉は、女性が“美人の湯”で、男性が“生涯青春の湯”だった。ネーミングが面白くて、いい!! 平日ということもあり、中は比較的空いていた。汗でベトベト、筋肉はコチコチ。温泉は、本当にありがたかった。
 早速つかったつるつる温泉は、入った直後から「あらら、本当にツルツル」と、びっくりするほど、その名に相応しい温泉だった。周りにいたおばさんたちも、「本当につるつるね」と、びっくりしている。ここに週一で通い続ければ、肌美人は間違いない。
 温泉で癒されたあとは、館の向かいにあったお土産屋に立ち寄り、奥多摩名産の柚子を使ったジャムを買った。そこの店主と、その奥さんがとても良い人たちで、またぺちゃくちゃおしゃべり。「今日はどちらから?」「東京です」「ここも東京だよ」「あっっ……これは失礼!」「あっはっは、東京の人は大抵そう言うんだよね。面白いよねー」。最後に、豆乳を練りこんだ信玄餅を御馳走になった。日の出町は良い町だ。
 この日は終始、良い出会いに恵まれたツーリングだった。また時間をつくって、走りたい。遠くへ、行きたい。






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