■走行距離:242`
■走行ルート:永福〜中央自動車道(高井戸〜勝沼)〜R20〜R202〜R140〜フルーツライン
■有料道路:首都高⇒:\300、中央自動車道⇔:\4,000
■温泉入浴料:\500
11/26/04(金)
あっと言う間に11月も終わっていく。週末を境に「秋晴れ」は「冬晴れ」に変わるらしい。もうそろそろ、バイクの遠出も走り納めかな。暖かい日も今日が最後なら、どこかへ走りに行きたい。そう思い、勝沼へ向かうことにした。今回の目的はたった一つだけ。「ほったらかし温泉」に浸かること。いざ!
家を出たのは9時すぎ。外は曇りで、何だか気分がのらない。甲州街道を走りながらやっぱり今日はやめようかなあと。でも山梨県は晴れているかもしれない。今の時代、ネットで調べればピンポイント天気も分かるけれど、「あっちは晴れているかもしれない」と期待しながら走るのは、嫌いじゃない。それに、曇りでもあの温泉ならいいや。永福から首都高経由で中央道に乗り、八王子を過ぎた辺りから空が晴れてきた。ラッキー! 途中、暖かい飲み物がほしくて談合坂SAに寄った。以前来た頃より山がオレンジだ。この辺りは、今が見頃らしい。勝沼を降りると、美しい紅葉をさらに楽しめた。10月は葡萄畑が美しかったけど、紅葉もまた格別。
笛吹川フルーツ公園内を抜けた先の先に、「ほったらかし温泉」はある。フルーツラインという道を走って行くのだけど、この道の脇には、葡萄やチェリー型の街灯があってとても可愛い。実は「ほったらかし温泉」に行くのはこれで二度目。一度目は10月に来た。KUSHITANIのスタッフの方が教えてくれたのだけど、私の一番のお気に入り露天風呂になった。
以前は気付かなかったが、入口には大きな亀の像があった。大小物凄い数の亀。何だかよく分からないけど、縁起がいいね。
「ほったらかし温泉」には「あっちの湯」と「こっちの湯」がある。「あっちの湯」は2003年12月にできた新湯で、浴槽と洗い場が広め。右に富士山、左に大菩薩嶺、眼下には甲府盆地が広がる。「こっちの湯」は1999年7月にできた元の湯で、正面に富士山、右に兜山、そしてもちろん眼下には甲府盆地。「こっちの湯」は「“ひなびた雰囲気”が人気の的」だそう。一番近くにいた番台のおばさんに「こっちは『あっちの湯』ですか?」と聞くと、「いいえ、こっちは『こっちの湯』ですよ」と笑顔で答えてくれる。何だか言葉遊びをしているようで、二人ともふふふと笑ってしまった。おばさんに「こっちの湯」と「あっちの湯」の魅力を聞き、以前も入ったけれどやっぱり「あっちの湯」に入ることにした。
「あっちの湯」は、以前来たときと同じように素晴らしかった。露天風呂は横に広く伸び開放的。あいにくもやがかかっていて、富士山や甲府盆地は全てうっすらとしか見えなかったけれど。でも、もやの中に映る山の陰と、時折落ちてくる太陽の光が気持ち良い。やっぱりここの露天風呂は最高だあーと、今日も元気に湯船でストレッチしまくった。
周りではおばさんたちがおしゃべりをしたり、写真を撮り合ったり楽しそう。この露天風呂で友達とおしゃべりできたら最高だと思う。一人は嫌いじゃないけど、やっぱり二人は楽しいもんね。きっと、恋の話なんかで、盛り上がっちゃうんだろうな。
温泉を出た後のことはあまり考えていなくて、とりあえず何か食べようと思い「あっちの湯」を出た。外には丁度良い具合にテーブルとイスが並んでいて、軽食も売っている。そこに、一人で座っている男性を発見。男性っていうか、どう見てもライダー。変な人だと思われませんようにと一瞬祈って声をかける、「バイクですか?」。やっぱりライダーだった。隣に座ってもいいですかーと聞き、荷物を置いておでんを買った。山の上でおでん。そのミスマッチっぷりが面白くていいでしょう。
おでんを食べながらライダーのお兄さんとちょっとずつ話をする。「どっちの湯に入りました? 『こっちの湯』ですか? いや、こっちが『あっちの湯』であっちが『こっちの湯』ですよね」。言った後に「ほったらかし温泉」のネーミングセンスの良さを、改めて好きになった。面白くて、笑っちゃうんだ。
東京出身のお兄さんはBMWのGS(1200)で来ていて、そのバイク、最高に素敵だった。バイクにはもう10年ぐらい乗っていて、やっぱりオススメは北海道と言っていた。やはり北海道は「ライダーの聖地」だと。北海道、実は行ったことないんだ。きっと、すごくいいんだろうな。お兄さんは体育会系の消防士(でも最初はとっても文系だったらしい)で、シフト勤務のためお休みは平日。やっぱりツーリングは平日がいいですねと話す。本当にそうだと思う。快適なバイクライフのためにも、勤務形態がシフト制のところを探したこともあったっけ。プー太郎生活が終わって社会人に復帰したら、私のバイクライフはどうなるかな。有給が取れるようになるまで、平日は出られないね。その分きっと、行き先選びもスケジュールの組み方もルート確認も、今より慎重になるはず。それはそれで、良い変化かもしれない。今の行き当たりばったりも、悪くないけど。
この半年、転職活動を通して何度も挫折を繰り返し、自己嫌悪に陥った。そんな自分を支えてくれた人は沢山いた。でも、何とか乗り切れたのは、バイクの存在が一番大きかった。何も考えたくなくて、バイクに乗ってよく走った。そうやって、どうにかバランスを保ってきた。今年はキツかったけど、いい年だったな。そんなことを考えながら、うっすらと見える富士山をぼんやり眺めた。そして、一人で眺めるより、知り合ったばかりではあるけれど、お兄さんと二人で眺めている方が不思議と心地よかった。なんといっても、ライダー同士だしね。
さて、せっかく勝沼まで来たのだからどこかへ寄って行こうかとも思ったけれど、最近暗くなるのも早いし真っ直ぐ帰ることにした。お互いお気を付けてと声を掛け合い、またきっと来るであろう「ほったらかし温泉」を後にした。
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