■走行距離:257`
■走行ルート:京葉道路〜東関東自動車道(宮野木〜富里)〜R296〜東総広域農道〜R266〜R126〜R254
■有料道路:京葉道路⇔:\400、東関東自動車道⇔:\1,600
■地球の丸く見える丘展望館入館料:\300
12/16/04(木)
朝起きると、いつも真っ先に空の色を確認する。雨ならインドア。曇りなら気分次第。晴れなら外出。抜けるような青空かつ気温が高ければツーリング。そしてこの日は、ツーリングにぴったりの暖かい日だった。
ツーリングで、たまに目指してみたくなるのが「先っちょ」の部分。例えば、三浦半島の南端にある、城ヶ島の先っちょ。伊豆半島の南端にある、石廊崎の先っちょ。真東にある銚子の先っちょとか。真東というのが何だか気に入って、銚子へ行こうと決めた。
地図を見ると、高速利用区間に比べ、一般道の距離が結構ある。ま、今日は木曜日。流れるだろうとのん気にかまえ、10時過ぎに出発。ちょっとのん気すぎたかな。
京葉道路を経由し、東関東自動車道に乗って宮里まで。途中、酒々井PAに立ち寄り休憩。すると、隣にバイク便が止まった。昔は私も仕事でよくバイク便を使った。雨の日も、風の日も、時間帯も道の渋滞状況もおかまいなし、あっちから荷をピックアップして、こっちまで大至急届けてと、本当にお世話になった。といっても、せいぜい集荷・配達範囲は都内。だから、最初高速でバイク便を見かけたときはビックリした。彼らは、いったい何処まで走るのか? 「今日はどちらまで行かれるんですか?」と聞いてみると、潮来(高速終点)までだと言う。しかも横浜から。「バイク便って、どこまで走ってくれるんですか?」と聞くと、「いや、どこまででも。遠いときは飛行機も使いますよ。その日帰れなくなっちゃって、週末がつぶれたりすると最悪ですよね」。バイク便は飛行機便にもなる! それほど急ぎの荷って、いったいどんな荷なんだろう。それに、「ハイ、これ宮古島まで大至急ね。飛んでね。」なんて突然言われた日には……ちょっと嬉しいかもしれない。いやいや、仕事だし大変だろう。お兄さんは先を急いで、去って行った。お気をつけて。
高速を下り、国道を走る。途中、東総広域農道というバイパスを走り、左右に広がる田園風景を楽しんだ。東京と違い、景色が横長で先が見渡せるのが気持ち良かった。空の面積も大きく感じる。
成田空港が近いこともあり、空には離発着する飛行機が数機、絶えることなく飛び交っていた。普段は見かけない配色の国際線。あれは何処の国へ行くのかな。途中、「日本で一番早く初日の出が見える地」という看板を目にし、東端に近付いたことを実感した。銚子よ、こんにちは!
結構な距離を走り、最初のクイックストップは「地球の丸く見える丘展望館」。名前が分かり易くて良い。館内は平日ということもあり、人も少なくとても静か。屋上へ上がると、中央にちょっとした台があり、そこから360度好きに見渡せた。柱など視界をさえぎるものがないため、自分の体の向きをその場でクルリと変えれば、周りの全てが見渡せた。この間、江ノ島にある展望台から水平線や地平線を見渡したばかりだけど、今回見つめているのは太平洋だ。やっぱり、でかい。水平線は、ゆるやかだけど確かに曲線を描いていて、地球が丸いことを教えてくれている。何だか元気になった。
次に目指したのは「犬吠崎灯台」。名前はよく聞くし、銚子ツーリングには欠かせないスポットだ。「地球〜」の直ぐ近くにあるのだけど、なんと曲がり損ね、道なりに君ヶ浜しおさい公園まで出てしまった。おっとっととバイクを降り公園へ入ると、右側に灯台が見える。戻ってもいいけど、高い所からの景色はさっき楽しんだし、まあいいや。時間は午後2時をまわっており、のんびりしていると日が暮れてしまう。
公園には魚釣りを楽しむ人、犬と散歩を楽しむ人、駐車した社内で読書を楽しむ人が少しいるだけで、静かだった。真正面の太平洋の先には、当たり前だが何の影も見えない。ここから広大な海が開け、外の世界へつながっている。地球は広い。今年は海外旅行へ行かなかったけれど、来年はどこかへ出るんだと気持ちをかためた。
最後に向かったのは「ウォッセ21」。ここは水産物即売センターで、お土産を買うにはピッタリの場所だと思う。すぐ隣に銚子ポートタワーなんかもあったが、タワーはもう充分。魚を買って、家に帰ろう。
中へ入ると、何となく閉店ムードが漂っていた。確かに、こういう所は朝が勝負。もう午後3時近いしね。で、少し残った魚や貝は、激安だった。魚の相場を知らない私でも分かるぐらい、驚きの安さだった。発泡スチロールの箱いっぱいに小魚が入って数百円とか、ウォッセ21はそういう所だった。そんな中、私の目に留まったのはカニ。大きさは中ぐらいで、4杯入った籠の上には「鍋用500円」とある。1杯500円でも安いけど、4杯500円なら驚異的。じーっとカニを見つめていると「美味しそうでしょ?」とお店のおじさんが声をかけてくれた。「はい! これって全部で500円なんですか?」と聞くと「そうよー」。おみや決定! 食べるときはね、こうやってここをむいてこうしてこうしてこうするんだよと、丁寧に教えてくれる。「今朝捕れたやつだからね。500円だけど、400円でいいや。バイクなの? じゃあ小さく包もうね」と、とっても親切。カニのほかにもアジや魚の佃煮を買って帰ることにした。今度来る機会があったら、朝一で来てみたい。
銚子についてから、駆け足でまわったつもりがもう3時過ぎ。やはり朝が遅すぎたねと反省しつつ、西へ戻る。午後4時をまわると夕焼けが空を淡いピンクに染めていた。まあるい夕日が、はっきりと見える。こんな風に沈んでゆく夕日を見るのは、久しぶりだった。コンビニ前にある驚くほど広い駐車場にバイクを止め、夕日の沈む姿にしばし見入る。落ちるときはあっと言う間で、いつの間にかストンと消えてしまった。そうだ、カニが傷んじゃうから早く帰らなくちゃと思ったが、心配するほど気温は高くなかった。日没後は気温の低下と共に風が出てきて、やはり今回もキツイ帰路となった。
高速料金所に着く頃にはガチガチブルブル。シールドを上げ、「寒いですね」と言いながらタンクバッグに手を伸ばすと、「お互いこの時期は苦労するよなあ」と笑顔でおじさんが答えた。お金を手渡した時、彼の手が素手であることに気付き、はっとした。そうか。お金のやり取りをするのに手袋はできない。窓も開けっ放し。機嫌の悪いドライバーに、悪態をつかれることも、ときにはあるかもしれない。それにも係わらず、料金所のおじさんたちは皆愛想良く、いつも「お疲れ様」と声をかけてくれる。おじさん、いつもどうもありがとう。
指先が凍りそうになった午後8時少し前、ようやく家に到着。見て見てと父にカニを見せると、早速蒸してくれた。カニが美味しく蒸れるのを待つ間、お風呂を洗って沸かす。今日は、一般道を長く走ったため、本当に疲れた。ヘトヘトなくせにバリバリカニをたいらげ、お風呂につかる。
銚子までは一般道の距離が長い分、どうしても走る時間が長くなる。寒さもあり、疲労度も半端じゃなかった。でも、とっても良いツーリングだった。
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