九十九里〜御宿〜月の砂漠

■走行距離:272.4`
■走行ルート:湾岸道路〜首都高〜京葉道路〜千葉東金道路〜R58(芝山はにわ道)〜R30〜九十九里道路〜R30(九十九里ビーチライン)〜R128(外房黒潮ライン)
■有料道路:首都高⇔:\1400、京葉道路〜千葉東金道路⇒:\1650、九十九里道路⇔:\420、東金九十九里道路⇒:\200、千葉東金道路⇒:\700

03/26/05(土)

 今日は、朝4時起床、6時出発、『桜100選』の泉自然公園(千葉県)へ行き、そのまま『渚100選』の九十九里浜へ! と思っていたが、結局自然をすっ飛ばして、海へ直行することにした。緑より、青だ! というか、寝坊しちゃったんだ……。
 朝8時過ぎに家を出て、湾岸道路から首都高、京葉道路、千葉東金道路を経由し、一気に千葉入り。
 有料道路を快調に飛ばす中、アメリカンの集団ツーリングを見かけた。アメリカンといえばハーレーでおなじみ、ドドドドドと走るあのバイクだ。私はアメリカンに全く興味がないので、普段は「ふーん」で終わるが、50台以上も連なって走る姿には圧倒された。鷹の模様が入った皮ジャンでキメているあのライダーも、きっと平日は普通のおじさんなんだ。で、週末になると、カッコイイアメリカン野郎に変身しちゃうんだ。いいねえー。
 ジャンクションで少し渋滞に巻き込まれた後、東金道路にある野呂PAに立ち寄った。ビーチで食べるお昼御飯を調達せねば。飲み物やサンドイッチを買って駐車場へ戻ると、さっきまではなかったKawasakiのゼファーがとまっていた。見ていると、後ろから「今日はどこまで行くんですか?」と声がした。

 振り向くと、30代半ばの男性ライダーが一人座っていた。「九十九里まで。どちらへ行かれるんですか?」と聞くと、「決めてないよ。今日はあまりにも天気が良いから、ブラっと出て来ちゃった」。「本当に素晴らしい天気ですよね」と話しているところへ、5、6台のバイク集団がやって来た。若い男の子たちで、降りると同時に「まーじーでーさみぃーよ!」とワイワイ楽しそう。「今の時期は集団ツーリングをよく見かけますよね」と言うと、「そうだね、良い時期だものね。でも僕は集団より一人が好きなんだ」「私もです」「気を使うから、楽しいはずのバイクが楽しくなくなっちゃうんだ。もう二度と、人とは一緒に走らない」。昔誰かと一緒に走って、嫌な思いでもしたのかな? そんなことを思いながら、お気をつけてと声を掛け合い、高速へ戻った。

 料金所でお金を払うと、「バイク、いいねえ!」とおじさんが言った。「いいですよ」とニンマリ笑うと、「昔は乗ってたんだよ」とおじさん。「じゃあまた乗って下さいね」、「ああ、そうしよう」。
 多くの人が、いつしかバイクを降りて、「昔は乗っていたんだよ」と言うようになる。きっと私も、そうなると思う。だからこそ、今を楽しみたい。

 今日は少し北から、海岸沿いを南下しようと、千葉東金道路の終点、松尾横芝まで行くことにした。
 高速をおりてのどかな道を走っていると、道端に菜の花の群集が黄色く咲き誇っていた。家々の庭先には、梅や椿が咲いている。春はいいねえ。
 蓮沼海浜公園の脇を通り海岸沿いに出ると、そこは栗山川漁港だった。
 駐車された車の隣にバイクをとめ、サイドスタンドを出す。いつもの様にバイクを左へ傾けると、そのまま横へ倒れそうになった。へ! 慌てて下を見ると、スタンドが砂にめり込んでいる。なるほど。コンクリートを探し、バイクをとめ直した。高速の雨は痛い、ジャリはハンドルをとられる、砂は沈む。何事も経験だ。
 バッグを外していると、私のナンバープレートを指して「Cって何?」と、ドライバーのおじさんが話し掛けて来た。「最近のものには、Cが入るみたいですよ」「へー、知らなかった。俺も昔は乗ってたんだよ」。そらきた! こうして、短いおしゃべりが続く。

 漁港に隣接されたマリンピア栗山川公園を抜ければ、待望の九十九里浜。太平洋、お久しぶり! 九十九里に来るのはこれが二度目で、去年秋に見たときよりも、今日は随分大きく感じた。空があの日より、青いせいかもしれない。天気によって、景色は全く別のものになる。
 周りにはサーファーや家族連れ、釣りを楽しむグループなど、ちょこちょこと人の姿があった。でもまだオフシーズン。海は静かで、キラキラ光る波が本当にきれいだった。こんなでっかいビーチでのんびりできるなんて、最高だーっ! と、モリモリ御飯をたいらげた。

 去年秋、九十九里を初めて見た後、『月の砂漠』と呼ばれる場所へ行きたくて、海岸沿いを南下し御宿まで走った。今日も、それと同じルートを辿ることにした。

 「波乗り道路」と呼ばれる九十九里道路と、九十九里ビーチライン、国道128号線(外房黒潮ライン)を南下し、短いトンネルを抜ければ、いよいよ御宿町。御宿と言えば『月の砂漠』が有名で、道の左右にはそのシンボル、ラクダに乗った王子様とお姫様の柱が建っている。もー、御宿ったら超キュート!
 再度海岸沿いに出るため左折し、しばらく走る。すると、また海が見えた。九十九里はずっとずっと続いていて、特にこちら側はサーファーが多かった。ウェットスーツに身を包み、サーフボードを脇に抱え、水も滴るいい男たちが道を横切っていく。ライダーに比べ、サーファーの爽やかなこと! せいぜい爽やかなライダーを目指すかな。

 海岸線からちょっとだけ横道に入り、以前と同じ場所にバイクを駐車した。御宿は所々にヤシの木が生えていて、トロピカルな感じが南国チックで素敵だ。
 バイクを降りて海へ歩くと、『月の砂漠公園』と書かれた看板が見える。この先に、ラクダに乗った王子様とお姫様がいる。ここへ来るのは、5ヵ月ぶりぐらいだろうか。また来るとは思っていなかったけれど、二度目は不思議と近く感じた。そして、愛着が深まった。お気に入りの場所というのは、こういう感じで増えていくんだろうな。

 『月の砂漠記念像』は、遠くから見ても、近くから見ても、それほど大きな像ではない。でも私はこの像が好きだ。優しいラクダの顔も、遠くを見つめる王子様も、そして彼の後に続き、真っ直ぐ前を向いたお姫様も。その先に広がる、大きな海も。
 月の像の裏側には、こんな文章が刻まれている。「小麦色の柔らかい 美しい砂丘 この砂丘に寄せては返す波の音は 優しい余韻をもっている 夢とロマンにみちた童謡の名曲 「月の砂漠」は 1923年青年詩人 加藤まさを氏によって 御宿のこの砂丘で綴られた このことを永遠に記念するために 御宿町民が挙ってここに記念像と詩碑を建てる ラクダに乗った王子と姫が 美しい御宿海岸のシンボルとして 多くの人に愛されることを祈ってやまない 1969年7月吉日 御宿町」。素敵な町だ。

 ところで、午後2時過ぎの空は、本当に青かった。そして、でかかった。これから先、いつでもここへ来られるんだと思うと、嬉しかった。バイクのおかげだ。
 日が暮れる前に東京へ戻ろうと、来た道を戻ることにした。途中、産地直売の文字につられ道の脇にあったお店に入ると、新鮮な野菜や果物が沢山置いてあった。お土産に、拳サイズの里芋や椎茸と、イチゴを4パック。1パックなんと250円。イチゴ大好き。最高だー!

 少しの渋滞を抜けて、夕方家に着いた。早速リアバッグにつめたイチゴを取り出すと、ビニール袋の中でちょっと潰れ、ジュースになっていた。イチゴの甘い香りにつつまれ、今日のツーリングはここでおわり。





Copyright © JEDDAMERIPON. All Rights Reserved.


トップ自己紹介部屋 ┃ バイク部屋 ┃ 好きなもの部屋日記部屋トピック部屋栽培部屋BBS

┣━女26にしてバイクなワケ女27にして大型なワケ
┣━バイクは重装備でバイクライフのお供
┗━ツーリング日記:富士榛名湖勝沼箱根江ノ島銚子城ヶ島城南島
             晴海富津/九十九里/横須賀勝沼2奥多摩日光