2月26日(土)曇り時々晴れ
献血でしめる、平均的な土曜日
この一週間は、仕事を再開してから最も長く感じた。転職活動時とは違った意味で、何だかモヤモヤする時間が増えてきた。ある晩、混雑した電車のホームでドスンと人にぶつかられ、手にしていた携帯電話を落としたときは、うえーんと泣きたいぐらい何故か凹んでいた。私があまりにムクれて立ち尽くし、直ぐに携帯を拾おうとしなかったので、周囲にいた人たちの手が携帯に伸びた。こんなことでムクれている自分が恥ずかしくなり、急いで携帯を拾った。日常は、こんなことに溢れている。くさっちゃいけない。
ようやく週末になり、早朝バイクに乗ってリフレッシュするものの、この日はあまりの強風と寒さで指先が痛かった。でも、やっぱりバイクは好きだった。
家に戻り、妹が観たいとレンタルしてきた『
NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE
』を観ると、これが想像以上に面白く、元気をもらえる映画だった。終盤、じんわりくる場面があったので、観賞済みの妹に「ねえねえ、もしかしてニンニン観て泣いた?」と聞くと、「うん」。妹よ…………ニンッ!
午後はジムへ行こうと新宿へ出た。地下道を歩いていると、献血を呼びかける人が一生懸命声を出していた。人が出ていることはまれなので、よっぽど血が足りないんだなと思った。献血後は運動が出来ないので、ジムから戻ったとき、もしもあの人が、まだあの場所に立っていたら、献血をして帰ろうと決めた。その約3時間後、同じ場所で、彼はまだ一生懸命声を出していた。ということで、
献血ルーム
へ。内部スタッフに「今、血、足りてないんですか?」と聞くと、「今は高校受験や風邪っぴきが多くてね、足りない時期なのよ」と。確かに、献血ルームは空いていた。私は健康だし、こんなことでちょっとでも社会貢献ができるのは、単純に嬉しいことだった。太い注射針はさすがに痛いが、それも一瞬のこと。それにこの痛みは、普段感じるモヤモヤよりも明解な分、一瞬我慢すればそれで済んでしまう。
平均的な土曜日は、こんな感じに過ぎていく。春に向けて、心も衣替えするぞ。モヤモヤも、きっと晴らすぞ。
2月21日(月)晴れ
九十九里に思いを馳せる今日この頃
数週間前、スチールカメラの中に残された一本の24枚撮りフィルムを見つけた。まだ数枚分余っていたけれど、デジカメもあることだし、現像することにした。さて、その中に写っていたのは、去年10月25日にバイクで走った九十九里。そうだ、あの日は午前中に嫌な出来事があったんだっけと、当時を思い出した。
10月25日の午前中、私はある企業の面接を受けていた。が、人事担当者のあまりの印象の悪さと無礼さに、気分は最悪だった。今思い出しても、あの時ほど、転職活動で嫌な思いをしたことはない。面接が終わった直後、くっそーこんな日はバイクでどこか遠くへ行ってやるんだと思い、目指した先が九十九里だった。
スーツを脱ぎ捨てバイクにまたがり、午後3時には海を見ていた。誰もいない、静かで、大きな、初めての九十九里。そこでぼんやりしながら、大好きな友達が「人間ってちっちぇーよな!」と言っていたことを思い出した。本当にその通りだよなあ、私の悩みもちっちぇーよな。ついでにあの人事も人間がちっちぇーと、そんなことを考えたり、何も考えなかったりしながら、上手に気分転換ができたのだと思う。そして最後に、持参したスチールカメラで、一枚だけ写真を撮った。
そのときの思い出が心強くて、先週その写真を近所のPALETTE PLAZAで、新聞の片面ほどに引き延ばすことにした。それを受け取ったのが、つい二日前。それ以来、九十九里に思いを馳せている。今抱えている自分の悩みもストレスも、ちっちぇーちっちぇーと、自分に気付かせるために。そして、あの日感じた開放感を、思い出すために。
2月14日(月)晴れ
これで、女の“残り364日の得”は安泰、かな?
この間テレビを見ていたら、あるお笑い芸人(女性)がバレンタインデーについて面白いことを言っていた。「『何で女の子はチョコをあげなくちゃいけないの? 損だよね』って言ってるそこの女ァ! 残りの364日、どれだけ女で得してると思ってんだーっ! チョコぐらい、やれぇええええ!」と、こんな感じ。アハハと笑いながらも、本当にその通りだよなあと妙に納得した。今まで義理チョコは特にあげない、というスタンスを貫いてきたが、“残り364日の得”を考えればバレンタインデーぐらい。おまかせあれー。でも、お金がないから手作りだ。
ということで昨日、昼過ぎからブラウニーを焼いた。明治、森永、ロッテの競合三社による、とろけるハーモニー! になるはずだった。が、実際焼き上がったのは、不思議にサクサクした薄いスポンジケーキ。もうビックリだ。ちぇ。
ブラウニーを諦め、今度はココアクッキーを焼くことにした。チャキチャキ、チーンとオーブンで焼き上げ、妹に味見をしてもらう。「どう?」「んー、おーいしーい!」「本当に本当に?」「うん」。とそこへ、「その意見はあまり当てにならない。どれどれ私が」と母がやって来た。確かに、母のコメントはいつも正直かつシビアである。母は一口食べ、「こんなもんじゃない?」。続いて私も食べてみたが、確かにこんなもんかな、という感じだった。言うなれば、“今後、努力のし甲斐がある味”。ブラウニーとまとめて、努力します。
たんまり焼き上がったクッキーを透明の袋に小分けし、仕上げにリボンを結んでいった。実は、何に苦労したかって、このリボン結びに一番苦労した。私がやると、何故か斜めになってしまうのだ。あまりに下手なので、「かしてごらんなさい」と母が手伝ってくれた。実際、彼女が結ぶと可愛らしく仕上がる。「おっほっほ、これは私の方が上手いわね」と嬉しがるので、「私だってリボン結びぐらい」と意地になり、数分後、ようやく一つのキレイなリボン結びを完成させた。達・成・感!
そしてバレンタインデー当日。お世話になっている部署内(女性含む)スタッフと、数人の男性陣にクッキーを渡した。が、案の定リボンは誰にも注目されることなく、スルスルと解かれていった。まあそんなもんだ。でもこれで、女の“残り364日の得”は安泰! かな?
2月6日(日)晴れ
偶然ばったり会いました
麻布十番に、食通もうなるチキンライスがあんだって! と友達に誘われ、今日早速二人で
海南鶏飯食堂
へランチを食べに行った。途中道が分からなくなり、「海の南の、鶏に飯って書いた食堂を探しているんですが……」と、つたない聞き込みをしたところ、そのお店は知名度抜群で直ぐに見つけることができた。お昼は噂のチキンライス(海南鶏飯=ハイナンジーファン=アジアの鶏めし)とスリランカカレーの2品のみだったが、これがどちらも絶品。グルメじゃなくても、うなっちゃう。
お腹も満たされ、二人でプラプラと駅へ戻る途中、偶然ばったり会ったのだ。昔、勤めていた会社の先輩に。なんて、偶然!
この偶然というやつは、きっと全てが必然で、何か意味があるんじゃないかと、私はいつも思ってしまう。たとえ意味が見つけられなくても、偶然は、人生においてとっても嬉しい出来事の一つ。
去年も、こんな偶然に何度か恵まれた。昼時、丸ビルの外で豆乳を飲んでいたら、ランチへ向かう人波の中に、高校時代の同級生を見つけた。ツーリング帰りに立ち寄ったSAで素敵なBMW(バイク)を眺めていところ、やって来た持ち主は、以前お世話になったKUSHITANIのスタッフだった。銀座で友達を待っていたら、昔、仕事で苦労を共にした先輩が歩いて来た。いずれも滅多に会わない人との、ほんの数分の接触だった。でも、猛烈に嬉しい思い出として、全部、心に残っている。
さて、今日ばったり会った先輩は、私を見て「前会社にいた頃より、今の方が元気そうだね」と笑顔で言った。「はい、元気です!」。昔、自分がどんな顔で、どんな空気を漂わせて仕事をしていたのか、客観的には分からないけれど、ハッピーじゃなかったことは覚えている。あれから色んな時間を過ごし、随分遠回りもしたけれど、今の私は確かに元気だ。それが、一番。今後、また誰かとどこかで偶然会ったときに、元気な自分でいられるよう、これからも努力しようと思った。
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